ロシアの軍事侵攻が続くウクライナで26日、ソ連の最高指導者スターリンによって人為的に引き起こされたとされる大飢饉の犠牲者追悼式典が行われた。1932年から翌年にかけて起きた「ホロドモール」は、ウクライナ語で「飢餓による殺害」を意味する。ソ連の継承国ロシアの侵攻を新たな「ホロドモール」とみるウクライナ政府は、対ロ包囲網の形成に向け、90年前の大飢饉を「大量虐殺(ジェノサイド)」と認定するよう国際社会に呼びかける方針だ。
ソ連の独裁者スターリンの政権下では、ウクライナなどで穀物の強制徴発が命じられ、拒否した農民の処刑と飢餓により数百万人の犠牲者が出た。ウクライナの民族主義が高まり、ロシアとの歴史的対立を生む一因となっている。
ウクライナメディアによると、26日は各地で市民がホロドモールの記念碑前で献花。クレバ外相は「ウクライナ人の根絶やしを試みたロシアの組織的犯罪だ」とネットに投稿し、ホロドモールを「ジェノサイド」と認定するよう各国に求めた。
ロシア軍のウクライナ侵攻後、隣接するモルドバやルーマニア、さらにアイルランドの議会がホロドモールを非難する決議を採択した。米政府系ラジオによると、10月以降のロシアによるウクライナのインフラ攻撃を受け、ドイツ連邦議会もホロドモールをジェノサイドと認定する可能性がある。
ローマ教皇フランシスコも23日、ジェノサイドだとの認識を示し、現在のウクライナの苦難に重ねて信者に祈りを呼びかけた。
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は25日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話協議し、ロシアに破壊された電力施設や暖房設備の復旧に向けて支援を強化すると明らかにした。フィンランド政府も近く、ウクライナにエネルギー関連機器を送る構えだ。
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