
指2本ほどの大きさの魚が生きたまま、空から落ち始めたのを見た住民は、びっくりしながらも、魚を拾い集めたようだ。
小魚やカエルなどの異物が、空から大量に降ることは世界各地で稀に起きており「ファフロツキーズ現象」と呼ばれている。
竜巻や突風などの強い上昇気流によって引き起こされる可能性が高いとされているが、正確な原因が不明な場合もある。
砂漠の奥地に魚が降る珍現象
オーストラリア・ノーザンテリトリーにあるタナミ砂漠の北端には、ラジャマヌというコミュニティがある。最近、その地域で激しい豪雨が発生し、小さな生きた魚が空から落ちてきて地元住民を驚かせた。
中央砂漠評議員のアンドリュー・ジョンソン・ジャパナンカ氏は、このように話している。
私たちは、大きな嵐が私の住む地域に向かっているのを見て、ただの雨だと思っていました。ジャパナンカ氏によると、落下した魚はまだ生きていて、指 2 本ほどの大きさだったという。子供たちはそれらを拾って瓶にいれていたそうだ。でも、雨が降り始めると、魚が落ちてくるのを見たんです。
Live fish ‘rain’ down in Lajamanu, Australia https://t.co/q8vXA8VItu
— Go News Daily (@GoNewsDaily1) February 21, 2023
過去にも同類の現象が発生
ラジャマヌでは、この珍妙なファフロツキーズ現象が、1974 年と2004年、最近では2010年に発生したことが報告されている。ペニー・マクドナルドさんは、1980 年代半ばに上空から魚が降った時のことを振り返り、このように語っている。
当時、学校で働いていた私は、朝起きると家の外の未舗装の道路が魚で覆われているのを見ました。2020 年には、同様の出来事がクイーンズランド州ヤワでも起こったという。小さな魚は生きていて、たくさん路上にありました。驚きの光景でしたね。
クイーンズランド博物館の魚類学者ジェフ・ジョンソン氏は、落ちてきたのはオーストラリアで一般的な淡水魚であるスパングルド・パーチ(またはスパングルド・グランター)と呼ばれる魚だと特定した。
世界各地で起こっているファフロツキーズ現象
魚などの異物が空から大量に降ってくる現象は稀ではあるが、実は世界各地で報告されていて、そう珍しくはないようだ。気象の専門家は竜巻などの強い上昇気流によって海や川の水が巻き上げられ、その時に吸い上げられた魚など、何百キロも離れた場所に移動し雨と共に降ってくるのでは、と考えている。

pixabay
ノーザンテリトリーの博物館と美術館の魚の学芸員マイケル・ハマー氏は、この現象は「珍しいことではない」と語り、このように指摘した。ほとんどの場合、小さな水たまりか何かから局所的に発生した洪水と嵐に巻き込まれた魚が、別の場所に落ちた可能性は否定できません。ハマー氏は、この現象を認めた一方で、このサイズの魚が降ることはめったにないと述べている。ただし、地域の気象パターンによっては説明がつかない場合もあります。具体的に水たまりから魚が空中に持ち上がるには、どれくらいの力が必要になるかは、非常に興味深いことです。
落ちた魚は比較的大きなサイズであり、水から引き上げて空に長時間保持することはできないはずですが、実際にそれは起こりました。

pixabay
このような現象の割合が、オーストラリア全土で増加していると述べるハマー氏は、ラジャマヌの地元の人々に次のように促した。みなさん、次に雨が降った時は網を持って外に出て、落ちた魚を捕まえ、それを適切に記録しましょう。市民科学を始めましょう!一方、ジャパナンカ氏は、フィッシュシャワーは「これまでに見た中で、最も驚くべきこと。主からの祝福だと思います」と話している。
ただしどこから来たかもわからない、新鮮かどうかもわからない魚を食べない方が良いと思うのだが、その辺はお達しがでているのだろうか?
References:Fish ‘rain’ down in Australian outback: Any fin is possible / written by Scarlet / edited by parumo
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