ウクライナのＥＵ加盟交渉開始決定、ハンガリーは棄権…ゼレンスキー氏「ウクライナと欧州の勝利」 - 読売新聞オンライン

　【ブリュッセル＝酒井圭吾】欧州連合（ＥＵ）は１４日にブリュッセルで開いた首脳会議で、ウクライナのＥＵ加盟交渉の開始を決定した。反対していたハンガリーのビクトル・オルバン首相が採決を棄権し、「全会一致」で交渉開始が決まる異例の展開となった。

　交渉から実際の加盟には通常、数年以上の期間が必要となるが、ロシアの侵略を受けるウクライナには加盟実現に向けた一歩前進となる。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は声明を発表し、「ウクライナと欧州の勝利だ。歴史は自由のために戦う人によって作られる」と述べた。

　ハンガリーはロシアとの関係が深く、ウクライナの加盟交渉の開始を「時期尚早」として反対していた。ＥＵは１３日、民主主義制度の不備を理由に凍結されたハンガリーへの補助金約１００億ユーロ（約１兆５５００億円）の支払いを容認すると発表。１４日の会議直前までＥＵ首脳やフランスのマクロン大統領がオルバン氏を説得し、採決時に一時退席する形で折り合いをつけた。

　ＥＵの重要施策の決定には、加盟２７か国の全会一致が必要となる。今回は２６か国による決定となり、オルバン氏は「誤った決定だ。ハンガリーは加わる意思はない」と述べた。

　会議では、モルドバの加盟交渉開始、ジョージアの加盟候補国入りもそれぞれ決まった。

Adblock test (Why?)