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バイデン氏「神が『選挙から降りろ』と言えば降りる」…逆転狙い、台本なし22分間のインタビュー - 読売新聞オンライン

 【ワシントン=池田慶太、田島大志】米大統領選からの撤退圧力が強まっている民主党のジョー・バイデン大統領(81)は、5日のテレビインタビューで6月下旬に行われたテレビ討論会での失敗を「一度限りの出来事」として描き、高齢不安の 払拭ふっしょく に努めた。致命傷となる失言や不安定な挙動は見られなかったものの、「背水の陣」での選挙活動が続いている。

 「全能の神が降臨して『ジョー、選挙から降りろ』と言ったら私は降りるだろう。全能の神は降りてきていない」。バイデン氏はインタビューで選挙戦継続の強い意志を繰り返し示した。

 先の討論会で何度も言葉に詰まり、年齢的な衰えが指摘されて以降、民主党の現職議員や献金者からは撤退を求める声が相次いでいる。バイデン氏は再び失言や不安定な挙動を見せれば再選が絶たれるリスクを抱えながら、22分間、台本なしのインタビューに臨んで起死回生を図った。

 バイデン氏は討論会での不安定な言動を「ひどい風邪」によるものだったとし、雇用創出や気候変動対策など3年半の政権の実績アピールに多くの時間を割いた。共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)を「病的なうそつき」と呼び、大統領選での「選択」を有権者に呼びかけた。

 しかし、周囲を安心させたとは言い切れない。インタビューでは健康状態に質問が集中し、バイデン氏は客観的な認知テストを受けることを再三拒んだ。政権の低支持率について「私は信じない」と言い張り、批判の的となっている討論会の映像を見返していないことも判明した。「厳しい評価に直面している自覚がない」との冷ややかな声も上がっている。

 候補差し替え論を巡り、米紙ワシントン・ポストは5日、マーク・ワーナー上院議員がバイデン氏に撤退を求めるグループ結成に向けて動いていると報じた。民主党の主要献金者である経営者や市民活動家らのグループも同日、「民主主義と国家の未来のためだ」として身を引くよう求める書簡をホワイトハウスに送ったという。

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