
画像提供, Getty Images
米連邦議会下院は1日、経歴詐称や選挙資金の不正利用などが指摘され、複数の刑事事件でも訴追されている共和党のジョージ・サントス下院議員(35)の除名処分を、超党派の賛成で可決した。下院議員が除名となるのは2002年以来で、史上6人目。
決議採択の瞬間から前議員になったサントス氏は、 「こんな場所、知ったことか」と記者団に言い、議事堂を離れた。「非公式に自分はもう連邦議会議員ではないので、あなたたちの質問に何一つ答える必要はない」のだとも述べた。
サントス氏は2022年の中間選挙で、ニューヨーク州から初当選した。しかし、当選後には複数の経歴詐称や詐欺疑惑が浮上した。
下院によるサントス議員除名決議はこれで3回目。今回初めて、除名処分に必要な3分の2の賛成に達した。賛成311、反対114で、民主党から206人のほか、共和党からも105人が賛成に回った。
除名決議が可決されると、本会議場にはぱらぱらと拍手が鳴った。
ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は10日以内に、補欠選挙の期日を発表することになる。来年2月の実施が予想されている。
就任から11カ月余りの間に、サントス氏をめぐる相次ぐスキャンダル発覚で、辞任要求は両党から相次いだ。
2022年11月の当選から間もなく、米紙ニューヨーク・タイムズが経歴詐称の疑惑を報道。これを機に、学歴やウォール・ストリートの金融機関で働いていたという主張、ユダヤ系だという発言はいずれも、虚偽だと発覚した。
その後も、犬のブリーダーに対する詐欺行為や、2001年9月11日の米同時多発攻撃で母親が死亡したと主張するなど、サントス氏に関する疑惑が相次いで明らかになった。
今年5月には、資金洗浄や公金横領など23件の犯罪について連邦検察に訴追された。本人は無罪を主張し、公判開始を控えている。司法取引を交わさずに有罪となった場合、約20年の実刑判決を受ける可能性がある。
11月に公開された下院倫理委員会の報告書では、「下院候補としてのあらゆる側面を自分個人の経済的利益のために」悪用したと断定された。倫理委は、美容目的のボトックス治療や私的なクレジットカード支払い、ポルノなどを含む有料コンテンツサイト「OnlyFans」の代金、ニューヨーク郊外のリゾート通いなどに、選挙資金を使っていたと結論した。
過去2回の除名決議で、除名に反対した一部の共和党議員は、有権者に選ばれた議員について、有罪判決が出る前に議会が除名にするのは、悪い前例になるかもしれないとの懸念を口にしていた。
一方で、サントス氏と同時にニューヨーク州で当選した共和党の議員4人は全員、サントス氏の除名を強く求めていた。その一人のアンソニー・デスポジト下院議員は、「ここで確立した前例とは、連邦議会の議員は他より高い基準で判断されなくてはならないというものだ」と指摘。「こんな事態に至るべきではなかった。自分自身で責任を取って辞任すべきだった」と述べた。
サントス氏は下院倫理委の報告書が公表されても、辞任を拒否し、同僚議員たちをオンラインで批判。自分を除名できるものならしてみろと挑発していた。
選挙区の有権者で、サントス氏の除名を求めていたジョディ・カスフィンケルさんは、「民主主義の勝利だ」として「いなくなってせいせいする」と述べた。
「まったく恥知らずの男で、自分から辞任するわけはなかったので、これしかやり方がないとわかっていた」とも話した。
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