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予備選初戦でトランプ氏勝利 中林美恵子さんらとThink! - 日本経済新聞

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。1月12〜19日の記事では、早稲田大学教授の中林美恵子さんが「米共和予備選、初戦アイオワ州でトランプ氏勝利」を読み解きました。このほか「台湾総統選、与党・頼清徳氏が当選」「岸田派の解散、首相が表明」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。振り返ってみましょう。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「予備選初戦でトランプ氏勝利」をThink!

中林美恵子さんの投稿】アイオワ州の共和党支持者は64%が保守的なキリスト教福音派、また無党派は20%、政策的穏健派も14%とされる。圧倒的にトランプ氏に有利な条件である。ヘイリー氏の支持率上昇も注目されたが、ディサンティス氏に競り負け3位。年末にアイオワ州で各候補の対話集会を巡った私の元同僚によれば、ヘイリー氏の集会は活気に欠けていたそうだ。ただし、彼女にとって重要なのは今月のニューハンプシャー州予備選の方だ。スヌヌ知事の応援もあり、もしトランプ氏に勝てるなら、注目株になれる。この州の投票層は、福音派25%、無党派42%、穏健派27%。逆にここで支持を伸ばせないと、トランプ氏指名の可能性が更に高まることになる。

「台湾総統選、与党・頼清徳氏が当選」をThink!

益尾知佐子さんの投稿】国民党の侯友宜氏も直前まで追い上げていたのですが、馬英九・前総統の「習近平を信頼しなければならない」発言で急速に失速しました。上司に刺された形です。民進党の政権運営が長期化し、飽きやすい台湾の人々が変化を欲し、また国民党も地方選挙に多くの若い世代を投入していましたが、古い世代の膿を出し切っていなかったことが最後に問題を生じました。既得権層に基盤を持たない民衆党の善戦も印象深いです。台湾社会全体の対中観の変化を踏まえ、今回の選挙では侯氏も統一への慎重姿勢や国軍の強化を訴えました。その意味では頼氏が特別なのではありません。しかし、習近平政権は民進党との対話を拒否し続ける姿勢を崩していません。

「岸田派の解散、首相が表明」をThink!

岸田派の解散、首相が表明 安倍派内にも解散論(1月18日)
岸田文雄首相は18日、自らが会長を務めていた自民党岸田派(宏池政策研究会)の解散を検討する意向を表明した。東京地検特捜部が同派の元会計責任者を立件する方針であることを踏まえた。政治資金問題で強まる党への不信を払拭する狙いだ。最大派閥の安倍派(清和政策研究会)の解散論も広がる。

鈴木一人さんの投稿】総理大臣自ら、自分の派閥を解散するというのは、なかなか思い切った判断。岸田首相は就任直後にアメリカで行った演説でも「私は宏池会出身である」と知らないアメリカ人にはきょとんとするような話をしたほど、宏池会に思い入れのある人だけにインパクトがある。他の派閥もなかなか今まで通りにはいかないだろう。しかし、派閥を解散した後の自民党のガバナンスがどうなるのか、特に派閥順送りみたいな人事をやってきた岸田首相がその枠組みを失うのは、やりづらくなるのか、それとも自由に人事を行えるようになるのか。何にしても、国民の自民党に対する批判や冷笑を避けることを第一に考えた決断なのだろう。

「JAL初の女性社長・鳥取氏『変化する価値観に対応』」をThink!

JAL初の女性社長・鳥取氏「変化する価値観に対応」(1月17日)
日本航空(JAL)の次期社長に客室乗務員(CA)出身の鳥取三津子取締役が決まった。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ業績も回復基調にある一方、利用客の価値観が多様化するなかで柔軟な戦略が求められる。顧客第一の姿勢を徹底し、従業員の能力を引き出す経営でさらなる飛躍をめざす。

【石井クンツ昌子さんの投稿】JALの次期社長就任は鳥取氏が「女性」だからというよりは「これまでの素晴らしい功績」があったからです。ご自身も「自分らしくやっていく」とおっしゃる通り、自身の性別にとらわれずにJALの発展に尽くされる方だと思います。男性に対しては「男性社長」とは呼ばないのに、女性が社長になったときは「女性社長」と言う、そしてそのことに対して特別な意義を感じていること自体、日本の職場や経営トップにおけるジェンダー平等達成までの距離がまだまだあることの表れではないでしょうか。時間がかかったとしても、「女性社長」の誕生が驚かれない社会が実現すれば素晴らしいですね。

「地味な筑波山、外資には宝の山」をThink!

地味な筑波山、外資には宝の山 ホテル買収で再注目(1月17日)
茨城県といえば筑波山。誰もが抱くイメージだが、観光地として十分なアピールはできてはいない。観光資源も伝統的な「ガマの油売り」などに限られる。知名度は高いが、ミシュランガイドにも紹介されて外国人観光客らに人気の高尾山に比べて地味なイメージだ。だが、最近風向きが変わり始めた。きっかけは外資の参入だ。

小泉悠さんの投稿】我が家の結婚式は筑波山神社でしました。うちの奥さんはロシアの人なのでロシアからも親戚がやってきましたが、筑波山ぐらいの山はロシア人にとって「散歩」の範疇に入るらしく、「山の散歩がとてもいい」と気に入ってくれました。あと筑波学園都市は、「なんだかロシアのアカデムゴロドク(研究施設のために一から作られた都市)みたい」ということでこれも割と好評で、もしかするとロシア人と筑波は相性がいいのかもしれませんね。まぁ当面、ロシア人を相手にした観光業は絶望的だとは思うのですが、他のヨーロッパ圏の人たちにも割と当てはまるんじゃないでしょうか。

「世界株、上昇の踊り場」をThink!

世界株、上昇の踊り場 日本急騰の裏で7割が年初下落(1月15日)
2024年初めの世界株市場は上昇の踊り場となった。日本株が急騰した裏で、主要株指数の7割は2023年末比で下落した。米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ予想やテック株強気論が一部修正を迫られたためだ。今週から本格化するグローバル企業の決算が株高の持続力を左右する。

永浜利広さんの投稿】日経平均株価の株価上昇は、必ずしも日本経済の良さを反映したものではない可能性があります。というのも、株価が上昇した一因として、日本の実質賃金が悪化したことを示すデータが公表されたことがきっかけになったからです。ただ、あくまで日銀は過去の賃金よりも今後の賃金動向を重視しており、仮に今年の春闘が昨年よりも良い結果になれば、3月以降の日銀の金融政策決定会合でマイナス金利解除の可能性があるでしょう。となれば、現在日本株の押し上げ要因となっている要素が剥落する可能性がありますので、春先にかけて日本株が調整する可能性もあることには注意が必要でしょう。

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