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アングル:乱戦の米共和党、大統領予備選はトランプ氏有利か - ロイター (Reuters Japan)

[5日 ロイター] - 2024年の米大統領選に向けた共和党予備選に、参戦者が続々と現れてきた。こうした状況はドナルド・トランプ前大統領の勝利につながり、最大のライバルであるフロリダ州のロン・デサンティス知事には逆風となりかねない。共和党員やストラテジストはこのようにみている。

6月5日、2024年の米大統領選に向けた共和党予備選に、参戦者が続々と現れてきた。こうした状況はドナルド・トランプ前大統領(写真左)の勝利につながり、最大のライバルであるフロリダ州のロン・デサンティス知事(同右)には逆風となりかねない。オハイオ州デイトンとフロリダ州タンパで2022年11月撮影(2023年 ロイター/Gaelen Morse, Marco Bello)

大統領選の本選で民主党の現職ジョー・バイデン氏に勝つ上で、トランプ氏では有権者の好き嫌いが分かれ過ぎて広範な支持を得られないと一部の共和党関係者は懸念している。

彼らにとって、予備選で候補者が乱立すれば反トランプ票が分散し、結局、トランプ氏が党候補指名を獲得するという2016年の「悪夢」が再現される恐れがあるからだ。

今週中にはマイク・ペンス前副大統領やクリス・クリスティー前ニュージャージー州知事、ノースダコタ州のダグ・バーガム知事が党候補指名レースへの立候補を正式表明する予定で、トランプ氏に挑む参戦者は2桁になろうとしている。

一方、政治アナリストの分析では、トランプ氏は共和党有権者の少なくとも3分の1を占める「岩盤支持層」を、指名争いを勝ち抜く力にできる。

デサンティス氏は積極的にこのトランプ氏支持層を取り込もうとしているが、今のところ引きはがされる有権者はほとんどない見込み。政治アナリストによると、デサンティス氏が候補指名獲得に望みを持つとすれば、むしろ残りの7割前後に上る共和党有権者の大部分を味方に付ける努力が必要だ。

これらの有権者を巡り、デサンティス氏は他の候補者としのぎを削らなければならない。確かに多くは世論調査で支持がほとんど記録されないほどの泡沫(ほうまつ)候補だが、デサンティス氏がトランプ氏打倒に必要な党内の連携を模索するのを妨げる可能性がある。

メリーランド州前知事でトランプ氏を激しく批判しているラリー・ホーガン氏は「われわれは16年と同じ過ちを犯そうとしているように見えて心配でならない」と話す。

トランプ氏に挑戦するためにホーガン氏は共和党候補指名レースに出馬することを真剣に検討したが、今年になって立候補見送りを決めた。その理由は、候補者が多数になれば、16年にトランプ氏が主要17候補を倒して指名を得た光景が繰り返されるだけだとみなしたからだ。

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共和党穏健派として党の「脱トランプ」を推進したいホーガン氏はインタビューで、トランプ氏と戦うには世論調査の支持率が全て1桁の候補10人かそれ以上がひしめき合うよりも、1人か2人の強力な候補がいる状況が好ましいと主張。候補者乱立で得をするのはトランプ氏だけなのに「何度も同じことを繰り返しながら違う結果を期待するのは、正気の沙汰ではない」と言い切った。

実際、5日には共和党穏健派でニューハンプシャー州知事のクリス・スヌヌ氏が出馬取りやめを発表。CNNテレビで、党のトランプ色をなくすために外部から「率直かつ遠慮のない意見」を届けていきたいとの考えを示した。

現時点での指名レースは、事実上の一騎打ちになっている。

共和党予備選に投票資格のある有権者の間では、トランプ氏の支持率が49%と圧倒的で、これを19%のデサンティス氏が追う形。

残りの候補はいずれも大きく水を開けられており、直近のロイター/イプソス調査でペンス氏は5%、前サウスカロライナ州知事のニッキー・ヘイリー氏が4%にとどまった。

クリスティー氏とティム・スコット上院議員はともに1%、4月に出馬宣言した前アーカンソー州知事のエイサ・ハッチンソン氏に至っては0%だ。

<低支持率候補の思惑>

気軽な立場の傍観者からすると、なぜこんな低支持率の面々が、既に大きくリードしている有力候補に挑もうとするのかと疑問に思うかもしれない。

共和党全国委員会メンバーのオスカー・ブロック氏は「大半の参戦者は指名獲得のチャンスがあると本当に思っているからだ」と説明した。

これに対して、同党ストラテジストのジョン・フィーヘリー氏は、一部の人は勝つのは不可能だと分かっているが、新政権の閣僚に起用されるのを目指したり、最終的な副大統領候補に指名されたいとの思惑を持っていたり、あるいは単に本の出版契約を取るために有名になりたかったりという動機があるのではないか、と推測する。

フィーヘリー氏によると、もちろんこれまで無名候補が指名を獲得した事例もある。1976年の民主党候補になったジミー・カーター氏だけでなく、トランプ氏にしても15年6月に出馬を表明した際の支持率は、4%に過ぎなかった。

さらにフィーヘリー氏は、今回の参戦組の多くは、トランプ氏とデサンティス氏という先頭ランナー2人に付け入る隙がある、と考えたから出馬を決めたのではないかとの見方を示した。

トランプ氏は、既に不倫相手とされる女性への口止め料支払いに関する不正疑惑で訴追された上に、今後、機密書類持ち出しや20年の大統領選結果を覆そうとしたという問題でも訴追される恐れがある。

デサンティス氏の場合、世論調査で支持率が低下しつつあり、改めて足場を固める作業に追われているところだ。

これまでトランプ氏から一方的に攻撃されてきたデサンティス氏だが、恐らくは候補指名レースの参戦者が間もなく一気に多くなるのを見据えて、先週、ついにトランプ氏批判を開始している。

(Tim Reid記者)

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