インド宇宙研究機構(ISRO)は2日、世界で初めて月の南極に着陸した無人月探査機「チャンドラヤーン(月の乗り物)3号」の探査車両が調査を終了したと発表した。休止状態に設定したとしている。月の南極付近には水が氷の状態で存在する可能性があり、得られたデータの解析がどう進むかが注目される。
3号機は8月23日に着陸し、探査車両は今月2日までに着陸地点から100メートル以上移動。地表の土壌や岩石の成分を調査し、入手したデータの送信は完了したという。
探査車両は太陽光発電で動き、現在は満充電の状態となっている。日没を経て次に太陽光が当たると見込まれる今月22日以降に再び調査を続けられる可能性があるという。ただ日没後の環境は過酷で、再稼働は難しいとの見方も強い。
月南極で氷の存在が確認できれば、人間が長期滞在するための飲料水や酸素、燃料用の水素の原料に活用できる可能性がある。インドの着陸成功を機に各国の宇宙開発競争が加速しそうだ。(共同)
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